師走がやってくる。
NHK紅白歌合戦の歴史を振り返る記事では、2015年の第66回では『妖怪ウォッチ』が登場したことを紹介していた。
全て「妖怪のせいなのね」というフレーズが流行語の銅賞を受賞した。
アニメの中では【朝が眠いこと、ピーマンが食べれないこと、彼女に振られたこと】が妖怪のせいになったという。当時、小さい子が妖怪のせいにしている姿を見て、どんな感情を抱いただろうか。
ことわざの「風が吹けば桶屋が儲かる」は思いがけないところに因果関係があることを示す。
現代で起こっている様々な事柄が「桶屋が儲かったのは風が吹いたから」と様々な「陰謀論」が語られている。
「私たちは陰謀が大好きである」という書き出しから始まる『陰謀の日本中世史(呉座勇一)』から陰謀論の法則を紹介したい。
正確には、陰謀論が好きなのでなく、そのことについて想像したり、解明したりすることが好きと述べている。
応仁の乱における様々な陰謀を史実から徹底して論破していく流れは爽快であるので、手に取っていただきたい。
因果関係が単純明快
様々な要因が絡み合い起きたことを、「個人ないし組織があらかじめ仕組んだ筋書き通りに歴史が進行した」と単純化してしまう。
論理の飛躍
自分の思いで「きっとこうする」「こうであったに違いない」と、憶測に憶測を重ねてしまうわざわざ語る必要のないものを語ったり、妙に裏を読んだりする。
結果から逆算して原因を引き出す
「事件によって最大の利益を得たものが真犯人だ」というテクニックは、陰謀の犯人を見つけるために有効なものである。しかし、すべての事件に「目標が設定され、その実現のために計算して、事前の計画通りに行動した」と考えるには、当時を生きていた人は未来を知らないため、試行錯誤するのが普通である。結果から逆算をやろうと思えば、いくらでも遡ることができるため、宿命的な対立を演出しやすい。
悪魔の証明
陰謀論が100%成り立たないことを証明することは非常に困難であるため、陰謀論が生き残っていく。
多動の時代。自分が信じているモノ・コトに対して、問い直す習慣を身につけていき、
陰謀論を飼いならしていきたいものである。