甘いものはお好きだろうか?
子供のころと、大人になってからでは回答が異なるかもしれない。
減らすもしくは絶つことをしている人もいるだろうし、「大好物です!」と願望に正直になっている人もいる。
そんな甘さの代表である「砂糖」に関する歴史話をしたい。
砂糖の歴史に注目して近代史の流れを描いた『砂糖の世界史 (川北 稔)』から内容を整理していく。
ジュニア新書とあるが、大人が読んでも十分に愉しさを感じることができる一冊である。世界史を専攻していなくても砂糖がどのような役割を果たしたか、その歴史をわかりやすく知ることがこの本ではできる。ぜひティータイム、コーヒーブレイクに手に取っていただきたい。
砂糖は、現在では主に「甘味料」の役割として知られているが、16世紀ごろまでは食品というより「装飾品」「薬品」「香料」「保存料」としての用法であったと考えられている。
「装飾品」としての砂糖は高級な調味料として扱われており、その甘さと純白さに何か神秘的なものがあるとされていた。またその高級さと神々しさからよく貴族のパーティーに砂糖が用いられたようで、今の結婚式で使われる『ウェディングケーキ』はその名残だと言われている。
中世のヨーロッパでは胡椒、香辛料は同じ重さの金、銀と同じ重さで扱われていた時代があった。砂糖も同じように貴重で高価なものであったからそれを装飾品として使うことがどれだけ権威を示していたか想像できる。
そのように高級な砂糖だからこそ、17世紀の初めに砂糖は薬屋で扱われる貴重な薬品として扱われていた。その理由が「あんなに白くて、あんなに甘くて、あんなに高価なものだから、効かないわけがない」という理屈が愉快に感じる。16世紀以降のヨーロッパでは、手のほどこしようがもない絶望的な状況を示すのに『砂糖を切らした薬屋のような』という表現が使われていたという。医薬品として重宝されなくてはならない存在であった。
薬品としての砂糖と同じように、茶も薬屋で売られ多くの病気に効く特効薬と考えられていた。茶も砂糖と同じく高級品で豊かな生活を送っていた貴族のものであった。そんな茶を病気でもないのに飲むということは、その高級性からわかりやすい『ステータスシンボル』であり、そんな紅茶に砂糖を入れれば二重の効果として砂糖入りの紅茶は非の打ち所ない高貴な身分の証明となった。
いまでこそ、砂糖入りの紅茶はコンビニに行けば手にできるものであるが、数百年時を戻すと考えられない社会に生きている。
次回はその砂糖はどこからやってきたのが、そこには甘くてほろ苦い歴史があるのでお伝えするのが楽しみだ。
子供のころと、大人になってからでは回答が異なるかもしれない。
減らすもしくは絶つことをしている人もいるだろうし、「大好物です!」と願望に正直になっている人もいる。
そんな甘さの代表である「砂糖」に関する歴史話をしたい。
砂糖の歴史に注目して近代史の流れを描いた『砂糖の世界史 (川北 稔)』から内容を整理していく。
ジュニア新書とあるが、大人が読んでも十分に愉しさを感じることができる一冊である。世界史を専攻していなくても砂糖がどのような役割を果たしたか、その歴史をわかりやすく知ることがこの本ではできる。ぜひティータイム、コーヒーブレイクに手に取っていただきたい。
砂糖は、現在では主に「甘味料」の役割として知られているが、16世紀ごろまでは食品というより「装飾品」「薬品」「香料」「保存料」としての用法であったと考えられている。
「装飾品」としての砂糖は高級な調味料として扱われており、その甘さと純白さに何か神秘的なものがあるとされていた。またその高級さと神々しさからよく貴族のパーティーに砂糖が用いられたようで、今の結婚式で使われる『ウェディングケーキ』はその名残だと言われている。
中世のヨーロッパでは胡椒、香辛料は同じ重さの金、銀と同じ重さで扱われていた時代があった。砂糖も同じように貴重で高価なものであったからそれを装飾品として使うことがどれだけ権威を示していたか想像できる。
そのように高級な砂糖だからこそ、17世紀の初めに砂糖は薬屋で扱われる貴重な薬品として扱われていた。その理由が「あんなに白くて、あんなに甘くて、あんなに高価なものだから、効かないわけがない」という理屈が愉快に感じる。16世紀以降のヨーロッパでは、手のほどこしようがもない絶望的な状況を示すのに『砂糖を切らした薬屋のような』という表現が使われていたという。医薬品として重宝されなくてはならない存在であった。
薬品としての砂糖と同じように、茶も薬屋で売られ多くの病気に効く特効薬と考えられていた。茶も砂糖と同じく高級品で豊かな生活を送っていた貴族のものであった。そんな茶を病気でもないのに飲むということは、その高級性からわかりやすい『ステータスシンボル』であり、そんな紅茶に砂糖を入れれば二重の効果として砂糖入りの紅茶は非の打ち所ない高貴な身分の証明となった。
いまでこそ、砂糖入りの紅茶はコンビニに行けば手にできるものであるが、数百年時を戻すと考えられない社会に生きている。
次回はその砂糖はどこからやってきたのが、そこには甘くてほろ苦い歴史があるのでお伝えするのが楽しみだ。