猛烈な暑さが続く。”考えることを愉しむ”に共感いただいている読者のみなさんもお体ご自愛いただきたい。
『熱い』『寒い』は天気への悪口という説もあるため、「30度を超えるね」と素敵に腹の内を爆発させている人もいるかもしれない。日本歴代最高記録を調べてみると、41.1度であった。2018年に埼玉県熊谷市にて記録されている。
そんな熊谷市がエアコンのサブスクを開始している。対象が18歳以下がいる世帯もしくは65歳以上がいる世帯に限られるが、税込み月額1800円から5年間の契約で利用できると熊谷市が発表している。熊谷市から全国に広がってほしい現象である。
「この気温だから外は歩けないけど車で観光はできる」と誘いがあり、福岡市内をツアーする機会があった。福岡空港から筥崎宮、福岡都市高速を使って、百道、長浜、天神、博多を通るルート。博多駅を目前に「うどんの発祥の地が博多で、石碑がある」という説明を受けて、その石碑があるお寺へ向かった。
お寺の名前を「承天寺」といい、境内には確かに『饂飩(うどん)蕎麦発祥之地』とあった。福岡市の「博多の豆知識」という記事によると、承天寺を開いた聖一国師が1241年に宋時代の中国から帰国した際に、製粉の技術を持ち帰ったとされており、粉物食文化が全国に広がったと紹介されている。
うどんの歴史を調べると、うどん県とも言われる香川に関する記事では、香川県綾歌郡綾川町にある滝宮(たきのみや)天満宮が「うどん発祥の地」と紹介されている。こちらではうどんの原型とされる「はくたく」が伝わったのが平安時代のこと。はくたくは山梨の郷土料理の「ほうとう」に近い平たい麺とされる。
9世紀の初めに空海が唐にてはくたくの作り方を学び、滝宮出身で弟子である智泉(ちせん)が空海から教わり両親にふるまったと伝えられているようだ。良質な小麦の産地であること、川の流れを生かして水車で小麦を挽くため、綾川町には製麵所が多いと紹介されている。
様々なエピソードが由来説として伝えられている。海外からは「Japanese Udon Noodle」として認知されており、「良心的なランチ」としてロンドンの人に届いていると『Guardian』の記事は述べている。丸亀製麵のイギリス一号店である100席の開店日には午前11時には行列ができ、周りの店舗に対して安いだけでなく、少人数から大人数まで食事ができること、温暖便座や食べ放題のソフトクリーム、どらやきなども人気の要因となっている。
イギリス出身のチャールズ・チャップリンの言葉に「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。」 がある。クローズアップして考える「発祥の地へのこだわり」も、ロングショットで見れば「うどんが好き」というシンプルな思い。おうどん同根。いつも根っこは同じで、繋がっていると感じれるといいなと思う。