空前のサウナブームが到来している昨今。

「ととのう」という言葉をgoogleで検索すると、検索上位トップ10はすべてサウナで埋め尽くされるほど、サウナは身近なものになっている。

過去に「ととのいました!」というフレーズで一世を風靡した「ねずっち」も驚きを隠せずにはいられないほどのブーム。

かくいう私も、週1回以上はサウナに入っている。ただ、この「ととのう」に関して、そもそも「サウナ」の効果効能に関して、健康に良いという科学的根拠を述べられる人はどれくらいいるだろう。

残念ながら、サウナ好きをうたう私の知人数人に尋ねてみても、フワッとしたモヤモヤ満載の解答しか得られなかったので、それらしい論拠を自分なりに調べてみた。

ぜひ、皆さんが明日から堂々とサウナの効能について語れるよう、納得感を得やすい指標に絞って論じてみたい。

サウナの効果効能について

そもそも、私がサウナに入り始めたのは今から2年ほど前。

近くのジムが温泉・サウナ付きということもあり、「どうせついてるんだったら」という理由で入り始めた。とはいえ、頭が固めの私は当時まだサウナに懐疑的な節があった。

そもそも、高温の狭い部屋に自分の身を一定時間拘束し、そのあと凍えるほどの水温の中にあえて身体をぶち込む。

こんなもの、罰ゲーム以外のなにものでもない。
身体を虐め倒しておいて、身体に良いとは何事か。

そのくらい斜に構えた考えをもっていた私は、その考えを解消すべく、サウナブームに乗っかっていた知人の何人かに、なぜサウナに入っているのか、どんな効果があるのかを尋ねてみた。

「とにかくな、頭がスッキリするねん」
「トトノウねん、トトノウ」

タバコを覚えたての友人が「スッキリすんで!」と言いながら勧めてきた大学時代を思い出した私は、もう少し科学的視点を交えての変化感はないか、再度尋ねてみた。

「汗をいっぱいかくから、デトックス効果があんねん。」
「自律神経が良くなって‥」

それらしき言葉を並べる友人に、「それ、運動すれば良くない?」という言葉を喉元で飲み込んだ私は、これ以上深掘ると関係性が悪くなることを察知し、「へ〜」と言うにとどめた。

何人に聞いてもそんなことが続いたため、結局自分で調べてみることにしたのだが

「サウナ 効果」「サウナ 身体に良い」

等々で調べても、フワッとしたブログばかりが検索に引っかかり、納得感の得られる解答が得られない。

そんな中で、とあるクリニックのサイトの記事に辿り着いたことで、自分の中で「サウナは身体に良い影響を与える」という結論で幕を閉じた。

簡単に言えば、「血の巡りが良くなる」ということだけの当たり前の話だったのだが。

人類がもたらした環境変化と身体変化

サウナについて語る前に、まず我々人類がもたらした発明について語っていきたい。

我々人類はさまざまな発明をしてきたが、その中でも「住居環境の変化」にはさまざまな発明がある。

今では当たり前のように使用しているクーラーも、発明されたのは今から120年ほど前。日本全国に普及したのはそれよりもっと先の話だが、「寒い、暑い」という生命危機に対して、我々は「外部環境を整える」という方法で解決してきた。そしてその恩恵を、私たちは受けている。

暑い時はクーラーをつけ、寒い時は暖房をつける。
気温を適度に調節しながら、快適空間を作る。

そのように便利になった現代において、私たちの身体機能は昔より衰えていると言える。

その代表例が、「体温調節機能」である。

人間の身体は、「核心温」と呼ばれる身体の中心部分の温度がある。ここは、脳や臓器が集中しているエリアで、とくに「脳」は37℃ほどの温度下でした働くことができない。

脳が働かなくなると、身体のさまざまな部分に障害が出はじめる。そのため、人間は表面の皮膚温度でうまく調節をしながら、核心温を一定に保っている。

人が正しく活動をするためには、この「核心温」を一定に保つことが重要になる。では、どのようにして調節するのか。

それが、「血流」だ。

人間は、体温が高くなると血管が膨張し、血の流れが速く、末端まで行き届くようになる。末端には発汗作用があり、熱を体外に放出してくれる。

逆に体温が低くなると、身体の熱を逃がさないように、血管は収縮する。すると、末端まで血が行き届かなくなり、熱は体内に保たれる。

そうやって、私たちは血管を拡張・収縮させながら、核心温を一定に保っている。それにより、脳のパフォーマンスを落とさないようにしているのだ。

現代人は、この「拡張・収縮」を行う頻度が少ない。なぜなら、外部環境を調節することで、一定の気温の中で過ごす時間が長いからだ。

この状態が長くなると、血管は弾力性を失い、伸び縮みがしづらくなる。ストレッチを全然していない身体みたいなものだ。

そうすると、本来できるはずの体温調節がスムーズにいかず、少々気温が上下するだけで頭がぼーっとしたり、パフォーマンスの低下につながる。

だからこそ、血管をストレッチすることが必要で、それを人工的に行う作業こそ、「サウナ」なのだ。

まとめ

結局、「サウナは良いっぽい」というのが一旦の結論ではあるのだが、それについての論文が多く出だしたのはここ最近の話のように思える。科学も覆されてきたのがこれまでの歴史ではあるが、世の中に溢れる情報について、まず「正確性を確かめる」ことは必要だろう。

世の中はビジネスで塗れており、意識をしないとマーケティング活動の思うがままに誘導される。

それが、必ずしも私たちにとって有用なものであるとは限らないからだ。

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