SQ(ソーシャルインテリジェンス)は、私たちにとって必要な能力のひとつである。では、その能力はどのようにして培われていくのだろうか。 

 

アメリカで行われた研究に、「高卒と大卒で人を信頼する度合いに差は生まれるのか」ということについて比較した調査がある。初対面に対して、その人を信頼するかどうかということだ。 

この実験の結果では、「人を信頼する」「人に信頼される」指数が高かったのは、大卒であるという結果が得られている。 

 

では、なぜ大卒の人の方が指数が高かったのだろうか。 

勉強の出来具合が、人の信頼レベルにも影響を及ぼしてしまうのだろうか。 

 

実は、そうではない。 

この実験を含めたあらゆる実験結果によって導かれた推測は、信頼関係の構築には「新たに人と関わる数」が大きく影響しているのではないかということだ。 

高卒の人たちは、多くの確率で高校卒業後に地元で就職をする。結果的に関わる人間関係は少数となり、それが人を信頼する能力を低下させているという推測が立てられる。 

もちろん、「人を信頼する力」がSQの全てではない。 

しかし、人を信頼しようと思うと、その人のパーソナライズな部分を理解し、受け入れていく必要がある。そこを閉ざしてしまったり、正しく相手を理解しようと努めることができないと、互いの信頼関係は構築できない。 

それは、「人の感情を読み取り、行動する」というSQの能力に大きな影響を与えるはずだ。人の個性や性格、そこから導き出される強みを組織に活かすためには、まず「理解」することが大切である。 

そして、人と関わる数が多ければ多いほど、どういう人がどのように活躍しているのかのサンプル数が得られ、応用能力が長けてくるはずだ。 

また、人の細かな違いを知るためには、ある程度の数が必要だろう。 

サンプル数が100のデータと1000のデータでは、1000のデータの方が細かなデータを得られることは明白である。 

そうして、たくさんのパーソナルデータを自分の中で蓄積していく中で、相手を自分が作り出した固定概念に当てはめることなく、その人自身を見れるようになっていくのではないだろうか。 

 

SQは後天的に伸ばすことができる。 

そしてその方法は、相手の感情や人となりを理解しようと努める経験を何度もすること。様々な人の感情に触れ、その理解に努めることこそ、SQを伸ばし、時代に求められるリーダーへと育っていくのだ。 

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