ソーシャルインテリジェンスという言葉を聞いたことはあるだろうか。
SQと親しまれるこの言葉は、日本語で「社会的知性」と訳され、
「人の感情を読み取り、行動する力」という意味をもつ。
似たような言葉に「IQ」や「EQ」などがあるが、これらは全て私たちにとって必要な能力を指しており、その中でも昨今注目を浴びているのがSQである。
SQ‥人の感情を読み取り、行動する力
EQ‥感情を理解し、コントロールする力
IQ‥人の知能を数値化したもの
私たちが子供の頃から、IQという言葉は天才さを表す指標としてよく耳にしていたが、EQやSQといった言葉を耳にするようになったのはここ最近の話のように思える。
なぜ、このような言葉が注目を浴びるようになったのだろうか。
その理由に、グローバル化とSNSの普及が挙げられる。
グローバル化とSNSの普及
PCが一家に一台当たり前、という価値観になったのはいつ頃からだろうか。
PC普及率のグラフを調べてみると、50%を超えたのは2000年代に入ってから。70%を超えたのは、それから6年以上経ってからである。
つまり、私たちがPCを身近に感じるようになったのは、ここ20年ほどの話ということだ。
スマートフォンは至っては、50%を超えたのが2015年以降。現在は90%を超える普及率となっている。
そしてSNSの普及が拡大したのも、スマートフォンの台頭以降。これにより、私たちは世界中の人たちとリアルタイムで繋がることができるようになった。
それによって、私たちの生活はどう変化していったのか。
少数意見の声が反映される社会
SNSがもたらした影響はさまざまあるが、そのうちのひとつに「少数意見の反映」が挙げられるだろう。
これまでは声としてあげることができなかった、あげたとしても全体に反映されづらかった少数の意見も、世界中と繋がれば大きな声となる。
世界中で1%しかない声だとしても、合わされば7000万人の声になる。
LGBTやヴィーガン、ADHDといった分かりやすい名称がついているものもあれば、価値観や働き方、物事の捉え方など、一言で言い表せないさまざまな個性が世の中には溢れている。
現代社会は、そういった一人一人の個性としっかり向き合い、感情に寄り添うことが求められるようになってきたのだ。
そんな中で、「みんながそう言ってるんだから」「それがこれまでの常識だから」というような考え方は通用しない。
大多数の意見に個人を当てはめるのではなく、個性を重んじ、社会を整えていく方向に現代は舵を切っている最中だ。
社会は個人の集合体。
個を見て、全体を見る力こそ、SQなのである。
多様な価値観、個性を理解し、どう社会に反映していくか。
リーダーやマネジメントに関わる人たちは、そういった能力が問われている。