https://suzume-newsletter.com/?p=754 菜々と別れて、自転車をこぎ始めた。 予備校とか、進学塾とか、今まで派手な色だな、としか思っていなかった看板が、こんなに自分の身近なものだとは。文字としてだけ認識していたそれが、情報になってわたしを襲ってくる。駅前は情報量が多い。ため息が出そうだっ...
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切手はどこへゆくの記事一覧
鉄板はいくらきれいにしても、また次のお好み焼きを焼き始めると、焦げ付いてくる。追加注文したお好み焼きも食べ終わり、制限時間が迫ってきたが、誰も話が尽きる様子はなかった。真凛の「デザートを食べたい」という声に全員が反応し、バニラアイスが届くのを待っていた。もう鉄板の出番がないことはわかっているし、きれいに鉄板をきれいにす...
https://suzume-newsletter.com/?p=718 体育館を出て、駐輪場に向かった。 駐輪場につくと、わたしの自転車以外に置いてあった自転車が、数台なくなっていた。どうやらみんな、打ち上げ会場に向かったらしい。 ほんの10分間くらいで、自転車も、誰かの声も聞こえないくらい、みんなは学校から離れたら...
https://suzume-newsletter.com/?p=690 もう引退しているはずなのに、土曜日に学校にいくのが、なんだか不服だった。 部長からの「部室の片付けを土曜にして、みんなでそのまま打ち上げしよう」というメッセージを、わたしが見逃して、みんなが盛り上がっていたから、文句のひとつも言えなかっただけだけ...
https://suzume-newsletter.com/?p=675 ゴールを見つめている後輩の瞳に、光はなかった。どこにも焦点はあっていないし、体が動き出す気配も感じられなかった。この姿は、かつてのわたしだ。わたしのせいで負けた、そう思った時のわたしだ。 なにか言葉をかけなければ、そう思った。後輩に伝える言葉なん...
https://suzume-newsletter.com/?p=645 練習は、あくまで練習なのだと、思い知らされたのは、高校生活最後の試合の日だった。 二回戦目で当たった高校は、ベスト8常連の強豪校だった。対戦表が発表された時から、ここが山場になると、予想はついていた。 対戦相手は、今まで公式戦では戦ったことはなか...
https://suzume-newsletter.com/?p=629 蒼太さんはこの前と変わらず、切れ長の穏やかそうな目をしていた。 小さく会釈するわたしを見て、優しく微笑んだあとに、古谷の方をちらっと見て、少し不思議そうな顔をしていた。 古谷を見ると、愕然とした表情をしていた。人の顔を見て、いきなり「え?」は失礼...
https://suzume-newsletter.com/?p=566 古谷と三上は、わたしに聞かせているのか、自分たちで盛り上がっているのか、わからないくらいの雰囲気で、思い出話を始めた。古谷が部活を辞めたいと思っていた時に、三上は部活を辞める、とは思わなかったが、同じように先輩が好きじゃなかったらしい。 というか...
https://suzume-newsletter.com/?p=528 今日は、良い天気だった。 窓から入る日差しのせいか、いつもより多く寝たからか、いつもの日曜日より早く目が覚めた。二度寝をしてもよかったけど、二度寝をするには目が覚めすぎている気もしたので、起きることにした。 ベットから出て立ち上がったまま、大きく...
https://suzume-newsletter.com/?p=511 学校が休みの日の部活は、いつもより時間が長いけどあっという間だ。空腹が通り過ぎた頃に部活は終わり、体育館の隅っこで、後輩たちがモップ掛けをするのを眺めながら、ストレッチをしていた。 今日は、悔しい思いをした。最高のタイミングで来たボールを、シュー...
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