https://suzume-newsletter.com/?p=468 三人で並んで校門を出てから、三上は古谷に、藤崎さんの話をした。古谷はあまり興味なさそうに話を聞いていて、それに気づいたのか気づいていないのか、三上は時折、古谷を茶化していた。 それに対して、古谷がいちいちむっとした表情をするので、どうやら三上はそ...
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切手はどこへゆくの記事一覧
https://suzume-newsletter.com/?p=441 一つ前の授業と打って変わって、わたしの目は冴えていた。 先生がおしゃべりで、それに便乗してなのか、教室にいる生徒たちも、どことなくにぎやかだったからかもしれない。それと、すぐ隣で広がっている違和感のおかげで、すっかり睡魔は追いやられてしまったよう...
https://suzume-newsletter.com/?p=427 翠から届いた白い封筒の中には、翠からの手紙と、写真が入っていた。 写真は、青い花がたくさん咲いている中に、翠らしき人物の後ろ姿が映っていた。見覚えがあるのに、思い出せない花の名前と、翠の後ろ姿に、頭の中は疑問符でいっぱいだった。 なにも疑問が解決...
https://suzume-newsletter.com/?p=393 白い封筒に、深い茶色で書かれた私の名前は、間違いなく翠の書いたものだった。封筒を表裏に回して見ても、翠の名前は書かれていなかった。でも、このきれいで、ちょっと丸っぽい文字は、ずっと見ていた翠の文字だった。 なぜ、翠は手紙を送ってきたんだろうか。昨...
https://suzume-newsletter.com/?p=369 そもそも、明日は部活があるのだろうか。時計をタップしてカレンダーを表示させると、明日の予定に「女バス会議」と書いてあった。なんだこれは。 「遥夏~はやく帰ろ~」部長はタオルと水筒を持って、また、わたしを手招きしていた。 「部長、明日って部活ある?...
https://suzume-newsletter.com/?p=337 わたしも部長も、顧問の表情から何かを察したのか、少し沈黙が流れた。うっすらと、息苦しさを感じた経験した記憶はあるが、顧問のそれとは計り知れないだろう。 「部長、全員揃いました!」後輩からの声掛けで、わたしたちの沈黙は終わった。顧問は、わたし達のは...
https://suzume-newsletter.com/?p=265 目覚まし時計の音が聞こえた。しばらく聞いていなかったこの音が、わたしに学校生活という現実に突きつけた。 そう、今日は始業式の日だ。 まだ春休みだったらいいのに、と思う気持ちは、わたしのあくびの回数に反映されているようだった。学校に着くと、下駄箱付...
この古谷という男は、ものすごく簡単に言えばモテるやつだ。 運動神経が良くて、頭も悪くない、古谷のことを「かっこいい」と言う女子がいたという噂も聞いた。でも、古谷が誰かと付き合う、みたいなことはなかった。 古谷はずっと、翠のことが好きだったらしい。わたしが初めて古谷から恋愛相談を受けたのは中学2年生だったから、そこからず...
https://suzume-newsletter.com/?p=129 もうすっかり暗くなったころに、部活は終わった。 頭の片隅に進路希望書のことはあったけど、体を動かしていると、もやもやがいなくなったような気もした。過去最高のスリーポイントを決めたあとに、どうにかなるっしょ、と思えたから、わたしって単純だ。ボールを...
https://suzume-newsletter.com/?p=71 学生って面倒くさいなあって思うときは、だいたい怒られている時だ。 「稲村さん、提出期限過ぎてるんだけど。」「……すいませ~ん。持ってくるの忘れました。」 あはは、と笑って誤魔化そうとしたわたしを、担任は見逃してはくれなかった。 「そういうと思って、...
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