小説 切手はどこへゆく【第十八話】 2022年12月26日 https://suzume-newsletter.com/?p=566 古谷と三上は、わたしに聞かせているのか、自分たちで盛り上がっているのか、わからないくらいの雰囲気で、思い出話を始めた。古谷が部活を辞めたいと思っていた時に、三上は部活を辞める、とは思わなかったが、同じように先輩が好きじゃなかったらしい。 というか... SUZUME
小説 切手はどこにゆく【第十七話】 2022年12月7日 https://suzume-newsletter.com/?p=548 古谷を待つまでの間、わたしと三上はそれぞれ、ウォームアップをしていた。 脱げないように靴ひもをきつく結んで、アキレス腱を伸ばしてみたり、部活前よりは、緩めの準備をしていた。 三上も準備体操が終わったのか、シュート練習をしていた。男子とバスケをする... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十六話】 2022年11月16日 https://suzume-newsletter.com/?p=528 今日は、良い天気だった。 窓から入る日差しのせいか、いつもより多く寝たからか、いつもの日曜日より早く目が覚めた。二度寝をしてもよかったけど、二度寝をするには目が覚めすぎている気もしたので、起きることにした。 ベットから出て立ち上がったまま、大きく... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十五話】 2022年10月25日 https://suzume-newsletter.com/?p=511 学校が休みの日の部活は、いつもより時間が長いけどあっという間だ。空腹が通り過ぎた頃に部活は終わり、体育館の隅っこで、後輩たちがモップ掛けをするのを眺めながら、ストレッチをしていた。 今日は、悔しい思いをした。最高のタイミングで来たボールを、シュー... SUZUME
小説 切手はどこへゆく 第十四話 2022年10月9日 携帯電話を机に置いて、明日の準備でもしようと立ち上がったところで、通知音が聞こえた。画面を見ると部長からで、同い年の部活のメンバー全員あてに、ご丁寧に明日の練習予定が送られてきた。2年生がどうとか、1年生がどうとか、部長の聞いてよオーラ全快につづられた文章はスルーして、練習予定の中に、試合の文字があるかだけを確認して、... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十三話】 2022年9月14日 https://suzume-newsletter.com/?p=468 三人で並んで校門を出てから、三上は古谷に、藤崎さんの話をした。古谷はあまり興味なさそうに話を聞いていて、それに気づいたのか気づいていないのか、三上は時折、古谷を茶化していた。 それに対して、古谷がいちいちむっとした表情をするので、どうやら三上はそ... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十二話】 2022年8月16日 https://suzume-newsletter.com/?p=441 一つ前の授業と打って変わって、わたしの目は冴えていた。 先生がおしゃべりで、それに便乗してなのか、教室にいる生徒たちも、どことなくにぎやかだったからかもしれない。それと、すぐ隣で広がっている違和感のおかげで、すっかり睡魔は追いやられてしまったよう... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十一話】 2022年7月26日 https://suzume-newsletter.com/?p=427 翠から届いた白い封筒の中には、翠からの手紙と、写真が入っていた。 写真は、青い花がたくさん咲いている中に、翠らしき人物の後ろ姿が映っていた。見覚えがあるのに、思い出せない花の名前と、翠の後ろ姿に、頭の中は疑問符でいっぱいだった。 なにも疑問が解決... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第十話】 2022年7月5日 https://suzume-newsletter.com/?p=393 白い封筒に、深い茶色で書かれた私の名前は、間違いなく翠の書いたものだった。封筒を表裏に回して見ても、翠の名前は書かれていなかった。でも、このきれいで、ちょっと丸っぽい文字は、ずっと見ていた翠の文字だった。 なぜ、翠は手紙を送ってきたんだろうか。昨... SUZUME
小説 切手はどこへゆく【第九話】 2022年6月28日 https://suzume-newsletter.com/?p=369 そもそも、明日は部活があるのだろうか。時計をタップしてカレンダーを表示させると、明日の予定に「女バス会議」と書いてあった。なんだこれは。 「遥夏~はやく帰ろ~」部長はタオルと水筒を持って、また、わたしを手招きしていた。 「部長、明日って部活ある?... SUZUME