小説 切手はどこへゆく 第二十八話 2024年2月6日 どさっと大きな音を立てて、日記帳を置いた。その風圧で真っ白な封筒が少し動いた。動いたところで、切手が出てくるわけではない。意味が分からなかった。手紙は、切手がないと届かないらしい。じゃあ、この切手のない手紙は、どうやって家に届いたのか。誰かが直接、郵便ポストに入れたのか。翠からの手紙だから、翠しか考えられない。でも、翠... SUZUME