小説 切手はどこへゆく 第二十七話 2023年10月11日 どのくらい時間が経ったのか、考えるのを忘れるくらいに翠と話を続けていた。話す頻度が減っても、顔が見えていなくても、ずっと話をできるのは、翠しかいないんじゃないだろうか。お互いくだらない話で笑い合ったあと、翠が唐突に話を変えた。「そういえば、遥夏ちゃん、手紙書いてくれた?」「あ~……手紙……」「絶対書いてないでしょ。返事... SUZUME