小説 切手はどこへゆく【第十話】 2022年7月5日 https://suzume-newsletter.com/?p=393 白い封筒に、深い茶色で書かれた私の名前は、間違いなく翠の書いたものだった。封筒を表裏に回して見ても、翠の名前は書かれていなかった。でも、このきれいで、ちょっと丸っぽい文字は、ずっと見ていた翠の文字だった。 なぜ、翠は手紙を送ってきたんだろうか。昨... SUZUME